大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(ラ)201号 決定

第一、抗告人が提出する建物の登記簿謄本によれば、抗告人が本件物件を昭和二十七年四月二十七日庵原市蔵から買受けたとして同年十月十四日所有権取得登記を経た事実を認めることが出来る。

然しながら、本件記録によれば、本件競売開始決定に基いて競売申立の登記のなされたのは、昭和二十七年十月三日であること明白である。而して、競売法による不動産競売開始決定に於ては、民事訴訟法の不動産開始決定に於けるように不動産の差押を宣言するものではないけれども、競売法に於ての不動産の競売も亦一の執行処分に外ならないから、これが開始決定は担保権者の為めにその目的物を差押える効力を生ずるものと解すべきものであるから、不動産競売開始決定と同時に不動産の所有者はその不動産について担保権利者の権利に影響する一切の処分行為を禁ぜられるものである。従つて、その不動産について競売申立の登記のあつた以後に於て不動産の所有者から目的不動産の所有権その他の権利を取得した第三者はその権利取得を以て競売申立人並にこれに附帯する担保権者及び不動産競落人に対抗することを得ないものである。故に競売法策三十二条、民事訴訟法第六百八十条によつても競売法第二十七条に所謂競売手続に於ける利害関係人とは競売申立登記以前の所有権者を指称するもので、その登記以後に於て不動産の所有権を取得した第三者を包含しないのは勿論である。

よつて、抗告人は本件競売申立の登記によつて本件物件の所有権を主張するものであるから、同事由によつては競売法第二十七条所定の利害関係人と認め難い。

次に、抗告人がその主張のように昭和二十八年四月二日の競売期日に本件物権について競売を申出で、同年四月三日の競落期日に競落許可決定の言渡があつた事実は記録上明白であるが、記録によれば、抗告人は競落代金を期日に納入しなかつた為め、原裁判所は再競売を命じたことが認められるから(この点については尚後段の説示参照)、この事由によるも抗告人は競売法第二十七条に所謂利害関係人に該らないこと云う迄もない。

よつて、抗告人が利害関係人であることを前提として本件競売期日の通知がなかつたことを主張する抗告理由は採用に値しない。

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